肩の前側付け根付近の痛み

神戸市西区　N様　50代女性　「肩の前側が痛い」

5年前に左肩が五十肩になり、ご来院いただいたNさん。

ご来院時は身体ごと動かさないと腕が上がらない状態でした。

しっかり半年間ご来院いただき、左肩はもうまったく問題なく動かせるようになりました。

それからは腰痛のケアでメンテナンスでご来院いただいていたのですが、このたび

「やってしまいました・・・今度は右肩を」

とのこと。

今度は右肩の五十肩になってしまったようです。

実は五十肩は同じ部分が再発することはないのですが、反対側の肩を同じように患ってしまわれる方はけっこうおられます。

真性のい五十肩は回復に時間がかかる症状なので、その経験がある方は「またあんな思いを・・・」とショックを受けられます。

今回の肩の症状を要約すると

・腕が100°くらいしか上がらない

・後ろに回せない

・横向きで寝るとき腕が伸ばされて痛い

というものでした。

1ケ月前にちょっと痛みが出たときに病院へ行かれると、「五十肩ではない」と言われたのですが、改めて痛みが強くなって行くと「五十肩ですね」と診断されたそうです。

「病院でリハビリしますか？って訊かれたんですけど、痛いんで躊躇してるんです」

とNさん。

確かに五十肩は初期の疼痛が強い時期が過ぎれば、かたまっていって可動域が制限されるのを防がないといけないので、リハビリは大事です。

が、ある程度施術で緩めておいて、少々動かしても大丈夫というレベルにしておかないと。

リハビリ（だけ）で動かしていきましょう！っていうのはご当人にとっては苦痛で萎えてしまいますよね。

というわけで、肩関節につくインナーマッスルと、関節包を中心に癒着をコツコツとっていくように進めていきました。

2～3回で強い痛みはなくなってきて、5回目あたりで夜間痛はなくなり腕のだるさと可動域制限が残っている状態になりました。

主に痛みを訴えておられるのが、肩の前の部分から胸の部分にかけて。

筋肉でいうと大胸筋～三角筋のエリアになります。

実は肩のトラブルの際にはこの大胸筋は大きな影響を与えています。

常に巻き肩（肩が前に入っている）の方は、この大胸筋が緊張して強く収縮している状態です。

この状態だと肩が前に入っているので、動作に制限が出てきます。

上に上げるのもつらいのですが、一番きついのが反対側の手を後ろに回す動きです。

この場合鎖骨の下の部分を指で圧してみると、痛がる場所があります。

そこが拘縮部位ですので、そこを緩めると腕は動かしやすくなってきます。

ここがかたくなると、腕の神経や血管を圧迫するようになりますので、腕がだるくなりやすいんですね。

Nさんも鎖骨の下を圧すと非常に痛がられましたので、ピンポイントに緩めてみると

「あ、痛くない！」

と術後指で圧されても痛みを感じなくなりました。

これを繰り返していけば、可動域も徐々に広がっていくと思われます。